鮎川エリア

市街地から車で1時間ほどで至る牡鹿半島の南端部。奥州三霊場の一つである金華山を望む海景も見ものです。金華山沖は黒潮と親潮がぶつかり合う世界三大漁場の要地で、かつては捕鯨基地として栄えました。2019年中には観光施設、鮎川浜ビジターセンターがオープン予定。

エリアテーマ

目をこらす 耳をすます

島袋道浩

8年前の大地震で、とてつもなく大きな変化に見舞われた牡鹿半島の鮎川は、
現在行われている復興工事の中で、またもうひとつの大きな変化の時期を迎えています。
以前あったのとは全く違う形に作られようとしている町。
そんな中でもなくしてしまってはいけないもの、忘れてはいけないものがあると思います。
未来に残し、未来の人々に届けなくてはならないものがあります。そこでアートの出番です。
じっと目を凝らさないと見えないもの。じっと耳を澄ませないと聞こえないもの。
慌ただしい時間の中では見落としてしまうようなもの。面倒になって捨ててしまうようなもの。
鮎川に滞在して、鮎川のことを思いながら、
そんなものやことを見つけてこられるアーティストたちに今回来てもらうことにしました。
「いのちのてざわり」という言葉の大切なところは「てざわり」の「ざ」にあると思います。
「てさわり」ではないのです。生きていることの証しの濁音の世界。重なりの世界。
それを確かめ、つかまえたいと思っています。

キュレーター

島袋道浩

SHIMABUKU

美術家。1969年生まれ。神戸市出身。12年間のドイツ、ベルリン滞在後、2017年より那覇市在住。1990年代初頭より国内外の多くの場所を旅し、そこに生きる人々の生活や文化、新しいコミュニケーションのあり方に関するパフォーマンスやインスタレーション作品を制作。詩情とユーモアに溢れながらもメタフォリカルに人々を触発するような作風は世界的な評価を得ている。パリのポンピドゥー・センターやロンドンのヘイワード・ギャラリーなどでのグループ展やヴェニス・ビエンナーレ(2003、2017年)、サンパウロ・ビエンナーレ(2006年)、ハバナ・ビエンナーレ(2015)、リヨン・ビエンナーレ(2017年)などの国際展に多数参加。前回、2017年のリボーン・アート・フェスティバルにも参加し、鮎川ののり浜で「起こす」という作品を発表した。2020年にはヨーロッパ各地での大規模な個展が企画されている。作品はポンピドゥー・センターやモナコ新国立美術館など世界各地の美術館やアートセンターに収蔵されている。著書に『扉を開ける』(リトルモア)、絵本『キュウリの旅』(小学館)など。

Photo:Noguchi Rika

アーティスト

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