市街地エリア | キュレーター:有馬かおる

渋谷剛史

しぶや たけふみ

1994年、山形県生まれ。東北芸術工科大学大学院 修士課程芸術文化専攻修了。芸術運動体「山形藝術界隈」メンバー。山形を拠点に活動している。大学時代までは柔道選手として、体育会系独特の文化を経験。近年は〈しごく〉〈しごかれる〉の関係性を考察し、武道型(かた)を用いた映像作品を制作。柔道の「背負い投げ」や「関節技」での〈しごき〉を、芸術史や戦争史跡それぞれの小さな物語と接続し、自身の身体性とメディアの記録性を連動させながら、芸術における「背負い投げ」を試みている。主な展覧会として、山形ビエンナーレ2018「山のような100ものがたり」東北芸術工科大学(2018・山形)、「汚された青い柔道着」中央本線画廊(2018・東京)、「余計と余談 ─ゆとりの仕組み─」加計美術館(2015・岡山)。第3回 CAF賞入選。

山形藝術界隈とは
「山形ビエンナーレ2016」期間中に開催されたアートの市「芸術界隈」(ディレクター・三瀬夏之介)から派生した芸術運動体として2016年より活動開始。絵画・音楽・パフォーマンス等それぞれの表現活動を行なうメンバーが集まり、既存の枠組みに捕われない新たな作品制作・発表のあり方を模索する実験的な活動を行なっている。2017年は、山形・ミサワクラス、山形・白鷹町文化交流センター、東京・新宿伊勢丹(ISETAN ニューアーティスト・ディスプレイ)、山形・鶴岡アートフォーラム(東北画は可能か?/三瀬夏之介個展 関連企画)での各種展示を行なった。2018年は、RAF2019キュレーター有馬かおるとの出会いをきっかけに生まれたプロジェクト「年間山形藝術界隈展」を立ち上げ、2019年2月まで年間を通しての企画展示を宮城・GALVANIZE gallery(石巻のキワマリ荘)で行なった。

武道形

市街地エリア  | B3-5

日本の精神の形をあぶり出す

《体育会系を無形遺産にする》 2019 Photo: Toru Sakai

武道形

市街地エリア  B3-5

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日本の精神の形をあぶり出す

「私は柔道を用いて軍隊から体育会系へと継承されてきた伝統の形を可視化したいと試みています。今回は宮城県出身の柔道家の話をもとに従軍者慰霊碑と私の身体を重ね合わせ、新たな慰霊の立ち位置を模索した作品《慰霊試合》とGHQの新聞に人形と身体を連動させ、人形をしごく行為を行った《虚構の形》を制作しました。その行為は軍隊から体育会系へと継承されてきたしごきの根底にある周囲の無責任さと無自覚さを映し出すとともに、それらが生みだした、歴史にはめ込まれた日本精神の形(かた)をあぶり出す試みであると考えています」(渋谷剛史)

制作年:2019
鑑賞可能時間
10:00~17:00
作品の場所
旧柏屋
オフィシャル
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