石巻駅前エリア | キュレーター:中沢新一

ザイ・クーニン

ざいくーにん

1964年、シンガポール生まれ。ザイは数十年間にわたり、彫刻、インスタレーション、絵画、実験音楽、ビデオ、映画、パフォーマンス、ダンス、舞台など様々な表現媒体を用い、既存のカテゴリーにとらわれない創作を続け、分野横断的かつ即興的なアートを実践してきた。現在、彼は東南アジア地域においてもっとも多才なアーティストのひとりであり、またシンガポールにおける前衛アートの最前線にいる。 ザイは 1989 年にラサール・カレッジ・オブ・アーツのセラミック彫刻専攻を卒業したのち、身体に対する関心から「拷問される身体」を主題としてきた。同時に彫刻、音、パフォーマンスの間にある可能性を探求し、蝋を用いた作品も制作。1997 年の作品「 The Body 」はニューサウスウェールズ・アートギャラリーでフランシス・ベーコンやエゴン・シーレといったヨーロッパの巨匠とともに大規模な展覧会「BODY」で展示された。 ザイの関心はその後、東南アジアの儀式に関する身体動作と言語に及んでいく。シンガポールと日本でもパフォーマンスを行い、コントラバス奏者兼作曲家の斎藤徹と舞踏家である故・元藤燁子らと共演を果たしている。2001年には、マレー文化、特にリアウ諸島の原住民「海のジプシー」と呼ばれるオラン・ラウトについての研究を進めていくようになる。

展示作品

海に開く

石巻駅前エリア  | A1

魂の原郷につながる旅の入口

Installation view: Zai Kuning, Dapunta Hyang: Transmission of Knowledge,
Singapore Pavilion, 57th International Art Exhibition - La Biennale di Venezia, 2017 © Zai Kuning, Courtesy of Ota Fine Arts, Shanghai/Singapore/Tokyo

海に開く

石巻駅前エリア  A1

MAP

魂の原郷につながる旅の入口

「かつて南の海域にスンダランドという巨大な大陸があった。そこには数万年前から人 類が住みつき、狩猟と採集による豊かな文化を築いていた。スンダランドはアジア人にとっての魂の原郷であり、そこから四方に散らばっていった。氷河期が終わって地球の 温暖化が進んで海水面が上昇すると、長い時間をかけてスンダランドは無数の群島を残して大半が海に沈んでしまった。そのとき多くの人々が海への脱出を敢行した。南の海域に海民として新しい生活の場所をみつけた人々も多かったが、なかには黒潮に乗ってはるばる日本列島にたどり着いた人々もいた。この人たちが列島に縄文文化を花開かせた。縄文はそののちの日本人と日本文化の基礎をつくった。だから私たちの魂は今も南の海域に向かって開かれているのである。日本人は黒潮をつうじて、海に沈んでいまはもう見えなくなってしまったスンダランドにつながっている。その黒潮が金華山の沖を滔々と北に向かって流れ続けている」(中沢新一)

制作年:2019

企画:中沢新一  会場構成:フジワラテッペイアーキテクツラボ/FUJIWALABO  協力:株式会社 自由国民社、オオタファインアーツ
鑑賞可能時間
10:00~17:00
作品の場所
石巻駅前
オフィシャル
ツアー
×
パスポート
必須

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茶碗の底の千の眼

石巻駅前エリア  | A2

千の眼が見つめる石巻の未来

Zai Kuning, A Bowl of Rice, 2008, Rice and gold, Dimensions variable(detail) © Zai Kuning, Courtesy of Ota Fine Arts, Shanghai/Singapore/Tokyo

茶碗の底の千の眼

石巻駅前エリア  A2

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千の眼が見つめる石巻の未来

石巻初の百貨店として、後に陶器店として約80年にわたり市民に親しまれてきた旧観慶丸商店。港町石巻の繁栄を象徴した特徴ある建物は、2015年石巻市有形文化財に指定され、文化の拠点に生まれ変わりました。この建物の歴史に呼応するように、ザイ・クーニンは、人々から集めた大量のお茶碗を用いた作品を構想しました。ご飯をよそうお茶碗は人の暮らしを映すもの、千の眼は石巻の未来を見つめていると作家は言います。「この作品を通して、困難を乗り越えて生活を取り戻した石巻の人々を尊敬し、彼らの記憶に感謝を捧げます」(ザイ・クーニン)

制作年:2019年

協力:お茶碗を提供していただいた皆様、オオタファインアーツ
鑑賞可能時間
平日…10:00~17:00
土日祝・8月13日~16日…10:00〜17:00
作品の場所
旧観慶丸商店 2F
オフィシャル
ツアー
×
パスポート
必須

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